様々な大正琴
大正琴は、和音の出ない楽器(単音楽器)ですので、当然和音を出すには、複数の人(パート)が必要になります。また、音域も狭いので厚みのあるハーモニーを出すために、音域ごとに違う大正琴を使用します。そのため様々な大正琴が開発されました。ここでは、普段私達が使用している楽器を紹介してまいります。
箱型大正琴
昔ながらの大正琴です。ボタンのストロークが浅い物の方が、早いパッセージにも対応でき弾きやすいです。また、ボタンの形状も色々あり、四角い大きなボタンの方が、丸や楕円のボタンより弾きやすいです。楽器選びの際は注意が必要です。
マイク内蔵大正琴
箱型大正琴に、マイクを付けた楽器です。圧電素子が、ボディの振動を拾うタイプのピックアップ(ピエゾタイプ)が内蔵されているため、大正琴本来の響きが損なわれない良さがあります。
アンサンブル用大正琴
ソリッドボディにマグネチックピックアップというまるでエレキギターのような大正琴が開発され、色々な音域の大正琴を使いアンサンブル演奏を楽しんでおります。
ソプラノ
一番高い音域を担当する大正琴です。ピエゾピックアップも内蔵されており、マグネチックピックアップとミックスすることが出来ます。プリアンプが内蔵されており、かなりHi-Fiな音色です。トーンコントロールもかなり効きます。
タイプII
ソプラノの4番線(細巻き線)を3本張った特殊な音色が特徴です。三味線のような音色になります。スケールはソプラノと同じで、やはりプリアンプを搭載しているためHi-Fiな音色です。ピエゾピックアップも内蔵されており、電気回路はソプラノと同様です。
アルト
ソプラノより1オクターブ低い音域の大正琴ですので、本来ならばテナーの音域ですが何故か「アルト」という名称です。ピエゾピックアップは搭載されておらず、プリアンプも搭載されておりません。甘い音色が最大の特徴で、弦の張力がかなりありますので、押さえが甘くなるとピッチが悪くなります。演奏において注意が必要になります。
バス
アルトより1オクターブ低い音域を担当します。アルトと同じスケールを採用し演奏しやすくなっていますが、そのためピッチが微妙ですのでチューニングや演奏に工夫が必要です。ピッキングの場所によりかなり音色が変化します。指で弾くこともあります。